マラウイ・ファンド/Malawi fund
当会スタッフの一人がアフリカのマラウイ共和国にて、2015年2月から青年海外協力隊の一員として地域の生活改善に取り組んでいました。
※マラウイ共和国についてはこちらもご覧ください。
・外務省-マラウイ共和国
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malawi/
・駐日マラウイ共和国大使館公式ホームページ
http://www.malawiembassy.org/jp/
マラウイ共和国の紹介
マラウイ共和国は東南アフリカの一国で、そのマラウイ人の温厚な人柄から、通称Warm heart of Africa(アフリカの温かい心)と呼ばれています。
マラウイ共和国の特徴はアフリカ南部に位置する、ザンビア・タンザニア・モザンビークに挟まれた内陸国であることと、マラウイ湖という大きな湖が国土の五分の一を占めていることです。また隣国に比べとても小さな国です。
マラウイ人は全体的に温厚で明るいです。日本人よりは活発で話し好きな人が多い反面、ゲストを大切にしたり、本音と建前の文化を持つなど日本人と似ている部分もあります。
日本からの所要時間は平均2回の乗り換えを含め、約1日半かかります。これほど遠く離れているにも関わらず、日本の中古車が公共交通機関に使われていたり、日本の電化製品が流行っていることから、親日な方も多いです。
概要
面積 |
11.8万平方キロメートル(北海道と九州を合わせた面積) |
人口 | 1,636万人(2013年:世銀)、人口増加率2.8%(2013年:世銀) |
首都 | リロングウェ |
民族 |
バンツー系(主要部族はチェワ族、トゥンブーカ族、ンゴニ族、ヤオ族) |
言語 | チェワ語、英語(以上 公用語)、各部族語 |
宗教 | 人口の約75%がキリスト教(その他イスラム教、伝統宗教) |
主要 産業 |
・(農)たばこ、メイズ、茶、綿花、ナッツ、コーヒー ・(工)繊維、石鹸、製靴、砂糖、ビール、マッチ、セメント |
GNI |
3,597百万米ドル(2013年:世銀) |
一人当たりGNI |
270米ドル(2013年:世銀) |
通貨 |
マラウイ・クワチャ(MWK) |
(引用元:外務省HP.2015年)
マラウイは世界最貧国の一つとされており、国内の貧困度は都会に比べ地方が高く、インフラ等のハード面を始め、医療体制などのソフト面においても不足している状態です。
人口の8割が農家ですが、内陸国であるため灌漑施設に乏しく、農作は雨水への依存度が高いです。このような状態のため、天災が起きると簡単に食糧危機に陥ります。主食であるメイズ(トウモロコシの一種)が降水量不足により収穫難となり、政府が他国からメイズを輸入し緊急支援を行うと発表することも頻繁にあります。
このような慢性的な貧困が国中に存在する中、当会スタッフの活動は住民グループの収入向上による生活改善を試みるものでした。
具体的には、任地(マラウイ北部州の県であるルンピ)では同じ地域に住む住民が集まって少しずつ貯蓄を行い、そのお金で新しいビジネスを行っていました。ただ、ビジネスと言ってもローカルビジネスなので、農産物の販売などの小規模のものがほとんどです。
そのような状況でも、収入向上により住民の生活に多くの変化が生まれていました。例えば、子どもを学校に行かせられるようになったこと、女性が家庭内で決定権を持てるようになったこと、家族が病気になりにくくなったこと等です。これらは全てベーシックニーズと言われ、国連でも定められた人間が生きて行くための必要最低条件です。
当会スタッフは、活動の一環として、配属先コミュニティ開発局の得意分野を活かし、各団体に合ったグループ育成トレーニング及びビジネスマネージメントトレーニングを計画していました。これにより、チームワークの向上や基本的なビジネススキルの習得が見込め、住民の持続可能な収入向上活動が見込まれます。
しかし、配属先の職員はファシリテーション等のスキルが高い人が多いにも関わらず、予算不足でこれらのトレーニングを実施できずにいます。 他にも任地のあちらこちらで小学校の教室が足りていなかったり、教材が足りていなかったりとインフラのニーズもたくさんあります。
そこでこれらのニーズに対応するため、又その他マラウイの村落開発に貢献できればとの思いを込めて、当会では「そっと応援する会マラウイ・ファンド」を設立しました。
マラウイ・ファンド
そっと応援する会マラウイ・ファンドでは、マラウイ国内において以下の4つのプロジェクトを実施します。
1. 災害緊急支援
実施場所:南部パロンベ県、ムランジェ県、チクワワ県シレ川付近
対象者:洪水被災者及び被災コミュニティ
内容:マラウイ南部シレ川付近では毎年大洪水が発生し、被害者や被害家屋が後を絶たない。当プロジェクトでは、災害発生時に緊急支援を実施する。支援物品は食糧・衣類・その他生活必需品を届ける。さらに、被災者の生活再建を支援するために、被災者を対象にビジネスマネージメント研修などの能力開発を実施し、彼らの安定した収入向上を目指す。
実施期間:災害発生時
2. 若者に対する就労及び社会問題解決支援
実施場所:ルンピ県
対象者:高校を卒業した若者かつ非雇用者、家庭環境が原因で生活苦となっている高校生
内容:マラウイ国内では就業率の低さが大きな社会問題となっている。高校を卒業した若者(16歳~35歳)の働き先がなく、実家に戻ったり、季節労働者として他国へ出稼ぎに出る者も少なくない。当プロジェクトでは、そのような若者を対象に、彼らがより多くの就労機会を得られるよう支援する。また、ICTなど就労に必要な技術を身に着けるために職業訓練校への進学を支援する。対象者は各村に配置されている村開発委員会によって選ばれ、最長3か月間の社会人研修を実施する。この研修は対象者の就労機会の選択肢を拡大することにある。これによって対象者を的確な就職先へと導けることを目指す。
また、当会は2016年5月よりルンピ県ボマ地区のWOCAサッカー協会を支援することとした。WOCAサッカー協会の設立主旨はボマ地区で目立つ若者の不正行為の改善である。この協会ではサッカーを通じて若者の潜在的な能力を引き出し、同時に彼らへ道徳教育及びキャリア教育を行うことにより若者の社会問題解決を目指している。そしてそれが対象者の家庭環境改善となり、明るい未来へと繋がると信じる。2016年度同協会運営費のために、191,000円を寄付した。2017年3月同協会運営費のために、10,000円を寄付した。
実施期間:常時
3. 孤児小学校進学支援
実施場所:ルンピ県
対象者:公立託児所に所属しない6歳~10歳の孤児
内容:マラウイはHIVの流行により平均寿命が低い。これにより国内では多くの孤児が存在する。各地域に存在する公立託児所では5歳以下の孤児を預かっており、多くの援助団体がその託児所を支援している。しかし、公立託児所を卒業した孤児を支援する団体は少なく、小学校へ入学できない孤児が多く存在する。当プロジェクトでは、そのような孤児(6~10歳)を対象に、彼らが小学校へ通えるように各家庭レベルでの生活面及び食糧面の援助を実施する。また、対象者が必要な基本的教材や制服や文具なども支援する。
実施期間:常時
4. 小学校環境改善支援
実施場所:ルンピ県内の3つの公立小学校
対象者:対象校の全校生徒
内容:ルンピ県中心部には3つの公立小学校が存在する。全校において、筆記用具、美術用品、教科書、机、椅子、スポーツ用品が不足しており、生徒たちは満足に勉学に励むことができない状態にある。当プロジェクトでは、対象校の校長及び先生に聞き取りを行い、各校で必要な物品を支援する。2015年度マラウイ・ファンド第一回目の支援は当プロジェクトを実施し、40,830円分の物品を支援した。
実施期間:常時
そっと応援する会 マラウイ・ファンドの支援先はこちら
■日本にて
1.お振込にてご支援
ゆうちょ銀行
〈記号〉12380〈番号〉5380671〈口座名〉そっと応援する会マラウイ
※他金融機関からお振込いただく場合
〈店名〉二三八〈店番〉238〈預金種目〉普通預金〈口座番号〉0538067
(恐れ入りますが振込手数料はご負担いただきたくお願い申し上げます。)
ご寄附をいただく際には、併せてメールをいただけますと幸いです。当会から皆さまへお礼を申し上げられますと同時に、ご質問・ご要望等お教えいただけることで、現地の活動の幅も大いに広がると思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【メール宛先】
http://kirikiriouen.jimdo.com/お問い合わせ-contact/
2.マラウイの商品をご購入してのご支援
2-1.自家焙煎珈琲家 花野子(かのこ)
〒410-0875 静岡県沼津市今沢 383-1
TEL/FAX: 055-969-2830/055-969-2831
営業時間: 10:00-20:00
定休日: 無休
ホームページ: http://cafe-kanoko.com/
ファンドへのご協力商品:マラウイ産のコーヒー豆 マラウイゲイシャ
珈琲1杯530円から30円、珈琲豆100グラム680円の中から30円をマラウイ・ファンドへ寄附してくださいます。
2-2.農村部の収入向上商品
農民グループによる収入向上(IGA)商品がございます。商品はカバン、財布、ポーチ、お菓子などです。詳しくはこちら(minpa.missionandpartner@gmail.com)までお問い合わせください。
■マラウイにて
1.お振込みにてご支援
Malawi Saving Bank
Rumphi Branch
Saving Account
Account Name: MINPA
Account number: 202-5421698-001
国内から現地通貨でのみお振込み可能
2.マラウイの商品をご購入してご支援
農村部の収入向上商品
農民グループによる収入向上(IGA)商品がございます。商品はカバン、財布、ポーチ、お菓子などです。詳しくはこちら(minpa.missionandpartner@gmail.com)までお問い合わせください。
マラウイでは、300円で10人家族1日分の食費となります。よって、ほんのわずかな金額でも構いません。いただきましたご寄附は、マラウイ支援に大切に使わせていただきます。活動報告及び使途につきましては、適時ホームページ・facebookにてご報告いたします。
今後ともどうぞご協力のほど、よろしくお願いいたします。
(写真はクリックすると拡大してご覧になれます / Click to enlarge the photo)
マラウイとマラウイ・ファンドにかける思い
以下マラウイで活動する当会スタッフの思いです。
2015年8月現在、私がマラウイに来て半年が経ちました。今までも海外に滞在した経験はありましたが、やはり文化や生活習慣の大きな違いから、日々たくさんの苦労があります。それでも、ここで全力を尽くしたいと思わせてくれるのは私を支えてくれている日本の友人、現地の同僚及び友人、JICA職員のおかげです。
私が6か月の現地調査で分かったことは、マラウイは慢性的な貧困状態にあるということです。その要因はいろいろ考えられますが、一つは国家予算の大部分が他国や援助機関の寄付に依存しているため、政局はどうしても不安定になります。公務員の給料が未払いという事態は頻繁に起きています。また、人口における農民が多く、産業が育ちにくい環境から、圧倒的に雇用機会が不足しています。
私が訪問した各地でも、役所の天井が穴だらけであったり、学校に机と椅子が無いという状況はあちらこちらで見受けられます。そのような状況の中、私の要請は住民グループの収入向上となります。彼らは少ない収入から、皆で貯蓄を行い、新しい収入を得る手段を必死に探しています。彼らの特徴は、個人単位ではなく、コミュニティ単位で物事を考えている点です。コミュニティ全体の貧困削減が、個々人の生活向上へ繋がると言っています。よって、団結力も高く、目を見張るものがあります。このように、ゆっくりではありますが着実に前に進もうとしている彼らとともに、私のできることを実施していきたいと思っています。
以下、現在携わっている団体概要です。
- 学生グループ:前任が教えた裁縫技術をもって小物を製作・販売
- 女性グループ:貯蓄と国内団体の援助でパン製作工場を建設予定
- 女性グループ:NGOが教えた栄養改善の知識をもって地物に一工夫加え商品開発・販売
- 湖沿いグループ:貯蓄で小さな船を買い、漁業に力を入れる予定
- 居住地域の小学校3校
以下、私の活動の具体的な内容となります。
- 各種研修の実施 グループダイナミックス、ビジネスマネージメント、商品開発など
- 必要物品の募集
- 子どもの学習機会の向上
子どもの学習機会の向上については、配属先の管轄外になりますが、マラウイは日本以上の学歴社会です。家庭の収入が向上したところで教育環境が安定していなかった場合、学校に行けても満足に学習できなければ、進学も難しくなります。よって、地域の子供たちの少しでも豊かな将来のためにも力を入れる予定です。
皆様からのご協力は必ずマラウイにて還元致します。温かいご支援の程、宜しくお願い致します。
2015年8月
そっと応援する会 共同代表
26年度3次隊 青年海外協力隊 コミュニティ開発 マラウイ国ルンピ県
上柳美生
当会スタッフのマラウイでの活動記録です。
当会スタッフの活動の様子や、マラウイの人々や風景などを収めたアルバムです。どうぞマラウイというアフリカの小さな一国をお楽しみください。
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