Apeさよなら会

 

私たちは震災後の夏、大槌町の吉里吉里にて瓦礫から作られる「復活の薪」を現地の方々とともに作っていました。その頃の吉里吉里は、まだ瓦礫はおろか倒壊しかけた多くの家屋など、無惨な光景が広がっていました。

 

ある日、不思議なものを目にしました。

「何だこれは」

 

瞬時には、理解出来ませんでした。

瓦礫の中から拾い集めた材料で、確かに「何か」が作られようとしていました。

 

 

 

 

震災の二日後、故郷の吉里吉里に戻り瓦礫の片付けをしていたミュージシャンがいました。作業後の夜、たき火に当たりながら歌を作りました。瓦礫の中から見つけた弦の足りないギターで。

 

「リヤカーを引いて歩くくらいしかできなかった。でも歩いた。
復興には長い時間がかかるけど、共に“歩きましょう”」

 

彼等は拾い集めた廃材で、とんでもないものを造りあげました。

 

「Cafe and Bar Ape」

 

当時はお店と言えば、近くのコンビニぐらいでした。そのような時に住民の憩いの場として誕生したのがApeでした。

 

瓦礫を集めて作った店。いったいどんな店なの?

店内に入ると全く想像することが出来ない程の異空間が広がっていました。

現実とはかけ離れたお洒落な空間で、提供される飲み物や食べ物も実に美味しい。皆で気軽に集える場所が出来た事が何より素晴らしいことでした。

 

Apeでは色々な音楽イベントが開催され、私たちの要望にも気軽に応えてくれました。最も記憶に残ったのは、タイから来たボランティア仲間の誕生日パーティーでした。

口々にタイ語で「誕生日おめでとう」と言い、タイ料理や特別なライブを披露してくれたことは、きっと彼女にとっても忘れがたい想い出となったことでしょう。

 

Apeはいつ行っても「温かい場所」でした。

私たちはRia&Norishigeの面白いトークと心に沁みる歌声が大好きです。私たちは出会ってすぐ友人になりました。

 

そんなApeは二年間に渡って温かいあかりを灯し続けてきましたが、震災復興計画の盛り土対象区域になった為、11/30をもって一時閉店する事になりました。

 

つきましては11/30にこれまでの感謝の想いを込めて「サヨナラ会」が盛大に開催されます。

 

11/30「Apeサヨナラ会」

昼~いけるとこまで

自由参加

LIVE有り

 

皆で温かい時を過ごしましょう!