吉里吉里再訪

 一年ぶりに吉里吉里を訪れました。

今回来た理由は、ボランティアしに行くというより吉里吉里のみんながどうしてるか気になったのと、吉里吉里がまた行きたいと思わせる町だからです。

吉里吉里は去年に比べてどれだけ回復したかな?と思っていたら、家が流された跡には雑草が生い茂っていて一面の緑。まだ復旧していない吉里吉里駅周辺も線路を隠す勢いで雑草が生えていました。

 

 今回は正彦さんに聞いた話がとっても印象的でした。

「わしらの世代の吉里吉里の人間は、TVでみる東京の暮らしと漁師としての自分たちとを比較して、自分たちの暮らしを恥ずかしく思い子どもには勉強していい大学に入っていい会社に就職しろと言い続けてきた。そのルートに乗れなかった子どもたちがこの町に残っているケースもある。そして吉里吉里の人は自分たちの暮らしに誇りを持てないまま今に至る。他人と比較する事では自分に誇りは持てない。先人が既に達成している事でも自分の努力でそこに到達できた喜びや自信こそが誇りである。

吉里吉里が本当の意味で復興するには、豊かな自然と豊かな人間が必要不可欠。吉里吉里人はかつては持っていた誇りを取り戻さねばならない。」

 

 復興金で箱モノが建ってくるのを受動的に待っているだけでは無く、高度成長前の豊かな自然を復興しようと、土日も関係無く山に入っている吉里吉里国のおっちゃんたちは本当にかっこいい。

 

ムン(窪田まど華)